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2009.03.31 (Tue)

アトピーとぬいぐるみ

ぬいぐるみ090318_0846~02

「毛のあるものは家に置くな」は、アトピーっ子の鉄則ですよね。
となると、ぬいぐるみは排除すべき対象。
でも、やっぱり子どもはぬいぐるみをほしいと思うものなんでしょうか。

【More・・・】

ムスコがまだ半年にもならない頃、知人がくれたぬいぐるみがあります。
素材はミクロガードというダニが入り込めない高密度織物を用いた洗濯できるぬいぐるみなので、アトピーの子でも大丈夫、ということらしい。
スカートの裏地のようなツルツルした布でできた、顔がつぶれた頭でっかちのクマ。
どんな角度から見ても、可愛くない……。

一応、「くーちゃん」と名付けてみたりしたものの、ムスコは見向きもせず、1年以上、放ったらかしにしていました。

ところがある日、「くーちゃんは?」
は? 何それ?
ムスコは「くまのくーちゃん!」と地団駄。
あー、あれね。

しまっておいたぬいぐるみを渡すと、しっかり握りしめて子ども用の椅子に座り、自分の目の前に置き、「くーちゃんがみてる!」と大喜び。
見てるから、一生懸命食べるという、とっても良いムード。

ところが、置いているだけで飽き足らなくなったのか、そのうち、「くーちゃんがたべさせる!」と、ぬいぐるみの手に持たせたスプーンを使って食べさせるよう、私に要求するようになりました。

代替弁当制作とムスコの世話で忙しい朝ごはんの時も、丸のみでなく人間らしく食べたいと希う夕ごはんの時も、ぬいぐるみの手を持ち、声色を使いながらムスコに食べさせる日々……。
ムスコはキャーキャーとご機嫌な声を上げて、一行に食事は進まない。
でも、ぬいぐるみがないと、食べることまで拒否する始末。
あー、面倒くさい。

それを数か月続けた後、今度はムスコが自分でぬいぐるみの手を持ち、自分に食べさせよう試みるようになりました。
どうやら、ムスコは食べる役であり、お母さん役でもあるらしい。

ベタベタと食べ物がついた手でぬいぐるみとスプーンを持ち、スプーンではなく、ぬいぐるみの手を食器につっこみ、汚れる、汚れる。
よだれと食べ物の染みで、ぬいぐるみの色が変わってるよ、もう。

洗濯すれば「くーちゃんがいない」と大騒ぎ。
知らんぷりしていると、家中を大捜索し始め、お風呂も食事もねんねも拒否!
仕方なく洗濯機の中からビシャビシャのぬいぐるみを取り出し、「汚れちゃったから、キレイキレイしないとね。明日にはまた会えるから!」と説得。
「そうなの? くーちゃん、エーン、エーンしない? ひとりでこわくない?」と同情することしきり。
なぜゆえ、それほどまでに執着するのか、お母さんにはわかんないよ。

そんな折、夫の友人がシュタイフのくまのぬいぐるみをプレゼントしてくれました。
やった! このほうが格段に可愛い。

くーちゃんを隠し、シュタイフを渡すと……。
「イヤだ! こわい」と後ずさり。
頭が小さいからかなぁ? 手足が長いからかなぁ?
何度か手渡そうとしてものの、「それ、しまって!」とムスコに叱られ、押し入れの片隅に片づけました。

そういえば、頭でっかちな「くーちゃん」は、ムスコの体形によく似てる。
もしかしたら、ムスコはこのぬいぐるみが自分の分身だと思っているのか?

そう思っていたら、ここ数日、ムスコは「くーちゃん」を持ち、声色を使って話すようになりました。
そして、男の子だったはずの「くーちゃん」は、いつの間にか、「ちびライオン」という黄色いライオンの形のバススポンジ(←保育園でもらった)のお母さんになっていました。

ちびライオンのお母さんはくーちゃん、くーちゃんのお母さんはムスコ、ムスコのお母さんは私、ということに。

その役割をすべて声色で演じ分けようとするムスコ。
そもそも「くーちゃんがたべさせる」と初歩的な文法ミスをおかしていたムスコ。
そんなムスコがいろいろなシーンを演じられるわけなんてない。
にもかかわらず、必死になってしゃべりまくり、うまく言えなくてイライラ。
「おかあさん、やってよ!」と言われても、主語も助詞も動詞もめちゃくちゃですから。
何をキミがしたいのか、お母さんにはわかんないんだよ。
ごめん。
でも、私が英語を話す時も同じようなもんだろう……。

やっとムスコ演出の舞台を離れ、炊事を始めても、足元から聞こえるムスコの変な作り声。
仕方ないので、「だれがだっこって言ってるの?」と応じると、「くーちゃんとちびライオン!」。
「じゃあ、ふたりだけだっこすればいいの?」とからかってみたら、「ちがう! みんないっしょ!」。
もう、「自分」と「他人」と「みんな」っていう感覚があるんだー。
2歳児って、もうそんなことまでわかるだー。
おもしろいわ。

ぬいぐるみの柔かな肌触りの手の感触による心理的な充足感をもたらすといわれますが、ムスコにとっては、自分が他人を演じるためのパートナーであり、自分の姿を投影する対象であり、自分の要望の代弁者でもあるんだなぁ。
ぬいぐるみの世界って、深いなぁ。

アトピーがあるからと、ムスコにはぬいぐるみを買い与えないポリシーの私でしたが、ここ最近のムスコを見ていると、ぬいぐるみは創造力や表現力など、精神的な成長を促すためにはあったほうがいいものなんだなー、と考えが変わりました。

ムスコの顔が浸出液でグシャグシャの時であれば、ぬいぐるみの衛生的な面が気になったことでしょうが、今はもう顔のカサカサ・グジュグジュの時期は過ぎ、体の関節部分のカサカサなので、ぬいぐるみの上に培養された雑菌でアトピーが悪化することはほとんどないかと思います。
そんなんで、ムスコがしたいようにしています。

そういう晴れやかな目で見ているせいか、ここのところ、くまのくーちゃんが神々しく見えてきました。
2歳のムスコに受動態や使役動詞を使おうという情熱をかき立てられるのは、くまのくーちゃん、キミだけだよ。
母よりもスパルタ言語教育だよ。
すごいね、ぬいぐるみって。

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テーマ : アレルギー・アトピー - ジャンル : 育児

14:13  |  アトピー  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

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